新規更新

新規更新情報 平成30年1月20日 Vaster2へ変更。ご迷惑をお掛け致します m(_ _)m

【ボカロ民族調の作り方】作曲技法・教会旋法

この記事は民族調曲を作る上での中核部分になってきます。

教会旋法という方法があります。グレゴリオ聖歌で用いられる技法ですが、近現代においてはジャズでもよくモードとして用いられています。実は、この教会旋法は、民族調曲を作るのに欠かせない作曲技法になってきます。かなり強引ですが、前回の、

【ボカロ民族調の作り方】作曲技法・ノンダイアトニックコード

と今回の記事さえ知っておけば、民族調曲が作れる位です。逆に、これらの技法を知らないまま作られた曲は、たとえ民族楽器を使用していたとしても曲の構造として民族調曲と言いづらい(響き的に)のではないかと考えています。私が確認した中では、教会旋法のうち、民族調曲で使用されているのはドリア旋法(ドリアンスケール)と呼ばれるもののみとなっております。なので、このドリアンスケールを覚えておくだけで、民族調曲の作り方の1/3位はマスターしたと言って良いでしょう。

教会旋法という技法が、なぜ民族調曲で重要なのか、これは理論的には私にもよくわかりません。只、通常の楽器(ピアノ、ギター、フルート等々)で奏でると聖歌っぽくなるのですが、民族楽器で奏でた場合に、異常にワールドミュージック的というか、大陸的というか、民族的な響きが出てきます。多分、それぞれ単独というよりは、複合的乗算的な効果が働いているのだと思います。ちなみに、教会旋法でドリアンスケール、ミクソリディアンスケールは、ケルト音楽でもかなり使われています。このスケールを全面的に使って曲を作るとケルト音楽になります。

それはともかく、民族調曲で使用されていえるドリアンスケールですが、これはどのようなものなのでしょうか。このドリアンスケールというものは、その調の第2音が主音(ルート音)となって構成される音階の事です。一番解りやすいのはDドリアンスケール(以下:Dドリアン)ですので、これで説明していきます。Dドリアンの構成音は、D(レ)から始まる(レミファソラシドレ)で表されます。主音がレです。普通のCメジャースケール(ドレミファソラシド)と構成される音は同じですが、働きが全然違っています。実際に、鍵盤等で弾いてみると響きの違いを理解して頂けると思います。文章で書くと解り難いのですが、Cメジャースケールではドレミファソラシドと弾いた場合とドシラソファミレドと弾いた場合では両方同じ長調の響きを感じられると思います。しかし、Dドリアンスケールで弾いてみると、レミファソラシドレと弾いた場合にはレミファソラまでは短調の響きを感じると思います。逆に、レドシラソファミレと弾いた場合にレドシラソまでは長調の響きを得ることが出来ます。
つまり、ドリアンスケールというものは、その構成音階の中に2つの調を内包しているということになります。

以上で、ドリアンスケールの特殊性がご理解いただけたかと思います。最後に、効果的な使い方と、参考曲をご紹介いたします。

効果的な使い方ですが、ドリアンの響きの特徴は、Dドリアンで表しますと、「ラシドレ」に集約されます。この「ラシドレ」がDドリアンの本体です。ですので、メロディラインを作る場合に、
ラシドレを多く用いると、インパクトが強くなります。次に参考曲です。

随神/774P・・・サビ部冒頭「うま(れ落ちる時 囁いた)」、曲後半部「はてから(のぼりだすたいよう)」、他多数

心に届く詩/Lia(シャイニングハーツOP)千年の独奏歌/yanagiP・・・イントロ全体

帰玄/774P・・・Aメロ「(不安な気持ちで)」他多数

()がドリアンスケールが現れる部分です(リンクをしていますので、クリックするとそれぞれの曲に飛びます)。

参考にして頂けたら幸いです。

0 件のコメント :

コメントを投稿